ブログ

「コトバのスタディ」6回目

今日は、まず「報告をする」練習をしました。

みどり先生からいくつかの提案がありました。
・事実と所見を分けて話す。
・事実から話し始める。
・情報の出どころをはっきりさせる。
・自分というフィルターを通していると思われる事実には「私にはこういうふ うに見えた」などの一言を加えてみる。

事実から始めるのは、相手が「事実を聞いて、それについて自分自身の考えを持つ自由」を作りやすくするためです。
10分という時間を区切って、それぞれが今日のメンバーや仕事関係者などに報告したいことを紙に書いてみました。

『所見(自分の考え)からしか、話し始められない。事実と所見の区別がつきにくい。子どもに頭ごなしにいろいろ言ってしまうときと同じだ。』
『どこまでの事実情報があれば相手に伝わるのか、どこまで伝える必要があるのかわからず、正確に伝えたいと、どんどん説明を加えたくなった。結果、時間内にいちばん伝えたかったところに到達できず、所見も述べられなかった。普段もこうやって伝えたいことが伝えらずに終わっているとしみじみ。』
などの気づきがありました。

次に、このクラスの中で繰り返し練習してきた「ワンセンテンスにワンメッセージ」と「ワンセンテンスごとに口を閉じて空気が鼻から入って来るのを待って、次のセンテンスを話す。」というお道具を使って3分間づつ話をします。

『口を閉じるところまでは出来ても、息が入ってくるのを待てないときがあった。息が入ってくるのを待つ時間を取ることで、階段をひとつひとつ自分で積み上げて行って、それを支えにして話し続けることが出来るような感じがした。いつもなら、相手に伝わっていないのではという考えが湧いてきて、何を言っているのかわからなくなってくる。』
『口を閉じることがほとんど出来なかった。相手が分かるわ〜という顔をしてくれた時に、なにかしらのうれしいやりとりが起こって、そうすると口を閉じることが出来た。』

『相手にどう取られるかを、とても気にしている。面白くないのではないか、わからないのではないか、という考えが湧いてくる。沈黙が怖いので、淀みなくどんどん話したくなった。ゆっくりすぎて退屈だったのではないか。』
この方の話を聞いていた人たちからの感想は、
『わからないことは悪いことではないのだと思った。むしろ興味が湧いて引き込まれていった。ゆっくりだと感じなかったし退屈することもまったくなかった。息が入ってくるのを待つ時間があることで、情報を咀嚼したり想像をする時間を持つことが出来るので、話が分かって共感しやすかった。』

自分にも相手にもほんの少しの時間をあげることで、コトバは本来のコミニケーションぢからを発揮してくれるのかもしれません。
そして、やっぱりよかれと思ってしていること(習慣)が、自分自身の邪魔をして、結果伝えたいことを伝わりにくくしてしまうことがあるのですね。
また、私たちは相手ではなく、自分自身の中にある考えに反応しているときがあるのかもしれないと改めて思いました。

コトバのスタディでは、習慣的になっていきがちな私たちの反応や選択から少し離れて、別のものを意識的に選べるようになるためのお道具を、コトバに注目して取り上げます。
ですから、アレクサンダーテクニーク的コトバのスタディです。

日常という本番でいきなり使うのは、なかなか難しいお道具を、安全な場所であるクラスの中で試してみます。いつもと少しだけ違うことをしてみると、どんなことが起こるのか見てみます。

クラスの後、それぞれ日常の中で試してみてどんなことが起こったか、また一ヶ月後に報告し合うのが楽しみです。

英語の先生でもある新海みどりのアレクサンダーテクニーク的コトバのスタディ。
次回は、9月18日(木)10:30からです。
初めての方もどうぞ気軽にいらしてください。

一覧に戻る