4月から「プロフェッショナルのための音楽家コース/ベーシック」のクラスが始まりました。
受講生の方からお寄せいただいた体験談を、ブログでご紹介させていただきます。
ぜひご覧ください。
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「音楽家コース/ベーシック」体験(第1回)
桜が残る4月の京都。
アライアンス京都校で開講されている「音楽家コース/ベーシック」に参加した。
講師は、ピアノ講師でアレクサンダー・テクニーク教師の
矢崎瑞(やざきみずほ)先生。
5回連続講座の第1回は、参加者が「改善したい悩み」や
「今日取り組みたいこと」を話すことから始まった。
大人になってピアノを再開した私。
ジストニアで指が動かなくなった経験を言葉にすると、
頭は一瞬で「その時」に飛んで行き、胸が詰まって声も
出にくくなってしまう。
先生は話を聞きながら、足にワークをしてくださった。
「アレクサンダーで、それはどうなりましたか?」
ぎゅっと縮めていた太腿が下へとおりていき、
胸と背中の間の空間がふっと広がったと感じた。
今この場所に戻ってくる選択ができるようになった、
と自然に答えられた。
「指が動かなくなったからといって、
それは指だけがどうにかなっているのではありません」
全体がどうなっているのか?
全体には、自分全体だけでなく、環境までが含まれる。
楽器も楽譜も、周りの人も、今ここにあるものすべて。
そのものたちに沿っていきながら、習慣的に反応しない。
そんな学習をしていきましょう、と先生は話された。
いつもの自分とキャラクターの違う曲に取り組んでいる、
と話された参加者のTさん。
「人前で表現をして、人の心を少しでも動かしたい」
先生はTさんの足にもワークをする。
「足で床を感じて、今この場所にいる人とつながっていると思うと、
人に伝えたいことが伝わります」
ここから、すこし解剖学的な身体のことへ。
全身の骨格や筋肉の絵を見たり、自分で触れたりするたびに、
自分が持っている身体のイメージとの違いに、驚きがある。
立った姿勢のワークでは、
先生がTさんの肩や腕に手を触れていくと、
Tさんの中に動きがおこる。
「どんな感じですか?」
Tさんの感覚評価は、
「何だかちょっと、えらそうにしている感じ」。
私には、凛々しく堂々とした佇まいに見えた。
実際にピアノの演奏を見てもらう。
「そこ、そこから、いったい何が刺激なんだろう?」
それは指を動かしにくいと感じている所。
その瞬間、右の胸を前に押し出して身体をねじっていた。
弾きにくいという思考の「刺激」に対する、筋肉の「反応」。
自分はまったく気づいていなかった。
「ここに居たままで、弾くことができますか?」
先生の手がサポートしてくれる。
さっきより楽に弾ける。
その日の自分の身心に気づき、参加者同士で発見していく。
次のレッスンが楽しみだ。
(関西在住 Berryさん)