アレクサンダー・テクニークとは

頭と首/背骨が楽で自由な関係にあるとき、
わたしたちが生来そなえている初源的な調整作用
Primary Control が生き生きとはたらきます。

F.M.アレクサンダー(1869-1955)はシェークスピアの朗唱家でしたが、あるとき舞台上で声が出な くなったことから、自分自身がいつどのように何をしているのかを自身で観察しました。その結果「声 を出そう」と思っただけで、頭で首・からだ全体が押し下げていることに気づきました。その関係性 におちいることを抑制すると、心身ともに生き生きとし、声が取り戻されたのです。自分自身の使い方に気づいて、初源的な調整作用が発揮されるように意識的に方向づけられれば、自分の全身全体=Self セルフが自然に調整されるということを発見したのです。

アレクサンダー・テクニークでは、教師がことばと手を使って、教えます。わたしたちの生来の生命力である初源的な調整作用は、長年の自分の使い方における心身の習慣や、思考や枠組みについての思い込み、文化的な習慣の内面化などによって発揮しにくくさまたげられていることが多いです。

「いつも」「たいてい」疲れやすかったり、したいことがあるのに「また」うまく行かなかったり、 練習ではできても本番で力を発揮できなかったり、姿勢がよくないと感じていたり、怒りや不安を感 じやすかったり...

アレクサンダー・テクニークの学習は、自分のその状態を引き出した「刺激」は何だろう? その「刺激」に対してどのように「習慣的な反応」をしているのか?といったことに、気づきながら、新たな選択肢を自分で選ぶことを練習するプロセスです。